会社の顔である商号(社名)を変更し、その効力を公に証明するためには、管轄の法務局へ新しい商号を登記する「商号変更登記」の手続きが義務付けられています。この登記手続きは、法務省が管轄・運営する「登記・供託オンライン申請システム(登記ねっと)」を利用することで、自社のパソコンからオンライン申請することが可能です。オンライン申請は、窓口へ出向く時間を削減でき、登録免許税の電子納付にも対応しているため、実務上の利便性が高い手段として利用されています。商号変更は、会社の基本規則である「定款」の記載事項を変更する行為にあたります。そのため、オンライン申請のシステムを操作する前に、株式会社であれば株主総会の特別決議を開催し、新たな商号について株主からの承認を得ておかなければなりません。オンライン申請時の必須添付書類として、この決議内容を証する「株主総会議事録」および「株主リスト」のデータ、もしくは書面が求められます。 法的に有効な議事録を一から作成するには、会社法に則った記載要件を満たす必要があります。自分で手続きを進める場合は、法務に特化したフォーマットを無料でダウンロードできる「GVA 法人議事録(https://gijiroku.ai-con.lawyer/)」のテンプレートを利用すると、法的な不備や記載漏れを防ぎ、スムーズに必要書類を用意できます。公的なオンライン申請手続き法務局や公的サイトを利用して商号変更登記をオンライン申請する場合、事前のシステム環境の構築と、各種電子証明書の取得に一定の工数を割くことになります。オンライン申請は「Webブラウザ上で完結する」ものではなく、専用のソフトウェアをパソコンにインストールして行う仕様となっています。具体的な事前準備は以下の通りです。申請者情報の登録 最初に「登記・供託オンライン申請システム(登記ねっと)」のWebサイトへアクセスし、利用者登録を実行します。利用規約に同意のうえ、申請者の氏名、住所、メールアドレスなどを登録し、申請者IDとパスワードを取得します。専用ソフト「申請用総合ソフト」のインストール 取得した申請者IDを用いて手続きを行うための専用ソフトウェア「申請用総合ソフト」を法務省のサイトからダウンロードし、パソコンにインストールします。このソフトウェアはWindows OS向けに開発されており、Mac等の他のOS環境では動作しません。また、動作環境として指定されたバージョンのPDF閲覧ソフト等が求められる場合があるため、環境構築マニュアルに沿ってセットアップを進めます。電子証明書・電子署名の用意 オンラインで作成した登記申請データに対し、それが代表者本人から送信された真正なデータであることを証明するため、電子署名を付与します。法人の代表者として署名を行うには、法務局が発行する「商業登記電子証明書」や、マイナンバーカード等の公的個人認証サービスによる電子証明書をあらかじめ取得しておく必要があります。ICカード形式の電子証明書を使用する場合は、パソコンに接続するICカードリーダーも併せて準備します。事前商号調査(類似商号の確認) 新しい商号を決定する前の段階で、同一の本店所在場所に、同一の商号をもつ別の会社がすでに登記されていないかを調査します。会社法により、同一住所・同一商号の登記は禁止されています。登記ねっとのシステム内にある「オンライン会社・法人検索」機能などを利用すれば、無料で商号の重複調査が可能です。また、商号に使用できる文字には制限があり、漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字、アラビア数字のほか、「&」「’」「,」「-」「.」などの一部の符号のみが認められています。使用不可の文字が含まれていないかの確認もこの段階で行います。商号変更登記のオンライン申請手順システムの初期設定と事前準備が完了したのち、実際に商号変更登記を申請し、登記簿に反映させるまでのプロセスをステップごとに解説します。オンライン申請を選択した場合でも、現在の制度上、一部の添付書類は別途書面で提出するフローが一般的です。株主総会の開催と決議 新しい商号と、変更の効力発生日を決定するため、株主総会を開催します。商号変更は定款変更を伴うため、議決権を行使することができる株主の過半数が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上の賛成を要する「特別決議」によって可決される必要があります。決議後、議論の経過と結果を記載した「株主総会議事録」と、議決権割合の上位10名または議決権割合が2/3に達するまでの株主の氏名・名称等を記載した「株主リスト」を作成します。申請用総合ソフトでのデータ作成 パソコン上の申請用総合ソフトを起動し、取得した申請者IDでログインします。申請書の作成メニューから商業・法人登記の申請様式を選択し、必要事項を入力していきます。「登記の事由」には「商号の変更」と入力し、「登記すべき事項」の欄には、株主総会で決議された「新商号」および「原因年月日(変更の効力が発生した日)」を正確に記載します。この入力内容は、後日発行される登記簿謄本にそのまま印字される情報となります。電子署名の付与と送信 入力が完了した申請データに対し、事前に用意した電子証明書を用いて代表取締役の電子署名を付与します。署名後、インターネット回線を通じて管轄の法務局へデータを送信します。送信処理が終わると、ソフト上の処理状況が「到達」あるいは「受付完了」に更新され、法務局側での審査待ち状態に移行します。登録免許税の納付 商号変更登記の手続きには、管轄法務局ごとに登録免許税の納付が義務付けられています。本店所在地における商号変更の登録免許税は一律30,000円です。申請データをオンライン送信すると、ソフト上に納付番号などの「電子納付情報」が発行されます。この情報を用いて、インターネットバンキングやPay-easy(ペイジー)対応のATMから税金を電子納付します。添付書面の提出(郵送または持参) データ送信と税金の納付が完了しても、手続きは終わりではありません。申請を行った日から一定期間内(原則として提出期限が指定されます)に、以下の添付書面を管轄の法務局へ書留郵便で郵送するか、窓口へ直接持参します。 ・株主総会議事録 ・株主リスト ・印鑑届書および代表者個人の印鑑証明書(社名変更に伴い、新たな会社実印を作成し、法務局へ登録する印鑑を改印する場合) ・書面により提出する添付書面の送付書(申請用総合ソフトからPDF出力して印刷したもの)オンライン申請におけるハードルと完了までの期間 登記ねっとを利用した方法は、印紙の購入や窓口への移動を省ける利点がある一方で、専用ソフトのインストール、Windows環境の準備、電子証明書の取得とリーダーの設定など、事前の環境構築に一定のIT知識と手間が要求されます。また、申請データを送信し、法務局で審査が行われ、最終的に登記簿へ新しい商号が反映されるまでには、通常1週間〜10日前後の日数がかかります。最短7分で株式・合同会社の商号(会社名)変更登記に必要な書類を作成できます会社名を変更した際に必要になる商号変更登記では、自分で手続きするにも、「どの書類を用意したらいいのかわからない」「書類にどの印鑑を押印をしたら良いのかわからなかない」など登記手続きに関する知識がないと調べるだけでも何時間もかかってしまうものです。GVA 法人登記なら、変更情報を入力するだけで株式・合同会社の商号(会社名)変更登記に必要な書類を最短7分で作成できます。さらに、GVA 法人登記で登記手続きしていただいた方全員に「登記申請手続きマニュアル」をお渡ししております。登記申請するまでに必要な書類についてすべてまとめておりますので、流れの通りに押印して書類の製版をするだけで手続きを終えることができます。株式、合同会社それぞれの商号変更に対応し、印刷や製本をサポートするオプションプランも充実。申請に必要な収入印紙もセットで購入いただけます。