会社の商号(社名)を変更するには、大きく分けて2つのステップが必要です。1つは、定款に記載されている商号を変更するための株主総会での決議、もう1つは、決議した内容を法務局に登記申請し、登記簿上の商号を実際に変更する手続きです。この登記申請を司法書士に依頼すると、専門家への報酬が発生します。しかし、実際にどの程度の費用がかかるのか、報酬以外にどのような費用が必要になるのか、初めての方にとっては未知のことばかりです。本記事では、商号変更登記を司法書士に依頼する場合の料金相場と内訳、さらに自分で手続きする場合やオンラインサービスを利用する場合と比較して解説します。商号変更の登記申請にかかる費用・料金の内訳商号変更登記にかかる費用は、大きく分けて次の3つです。司法書士への報酬登録免許税(3万円)郵送費・交通費などの実費①司法書士への報酬司法書士への報酬は、登記申請書や株主総会議事録などの必要書類の作成、法務局への申請代理を依頼するための費用です。事務所ごとに金額が異なり、後述するとおり3万円〜5万円程度が一般的です。自分で書類を作成して申請すれば、この報酬部分は不要になります。ただし、その分、書類に不備があった場合の補正対応や、法務局とのやり取りもすべて自分で行う必要がある点には注意が必要です。特に商号変更では、同一の住所に同一の商号が既に登記されていないかなど、商号の使用制限に関する確認が必要になるケースもあり、知識がないまま進めると後で手間になる可能性があります。②登録免許税(3万円)登録免許税は登記申請において必ずかかる税金です。登記の種類によっては資本金の額などに応じて税額が変わる場合もありますが、商号変更登記の場合は会社の規模にかかわらず一律3万円となっています。登録免許税は、申請書類の作成方法や申請方法にかかわらず必ず発生する実費です。司法書士に依頼しても、自分で書類を作成して申請しても、納める金額は変わりません。なお、商号変更と同時に本店移転や目的変更などほかの登記もあわせて申請する場合は、それぞれの登記につき登録免許税が加算される点にも注意しましょう。③郵送費・交通費など:数百円〜数千円このほか、郵送で申請する場合の郵送費、法務局へ出向く場合の交通費、変更前の登記内容を確認するための登記事項証明書(登記簿謄本)の取得費用など、数百円〜数千円程度の実費もかかります。金額としては大きくありませんが、法務局が遠方にある場合は交通費がかさむこともあります。司法書士によってはこれらの実費を報酬に含めている場合もあるため、依頼前に見積内容を確認しておくと安心です。以上を合計すると、司法書士に依頼した場合の総額は数万円程度になると理解しておくとよいでしょう。商号変更登記を司法書士に依頼する場合の報酬額司法書士の報酬は、現在は「商号変更登記はいくら」と一律に決まっているわけではありません。日本司法書士会連合会が実施した報酬アンケート結果には、残念ながら商号変更登記単体の報酬額は掲載されていません。そこで参考になるのが、必要書類の内容が近い役員変更登記や本店移転登記の報酬額です。同アンケートでは、取締役会設置会社が本店移転登記(管轄外)の必要書類をすべて作成し、申請代理まで依頼した場合の報酬について、地域差はあるもののおおむね4万円前後が平均額として紹介されています。商号変更登記は、必要書類が株主総会議事録や登記申請書など比較的シンプルであるため、実務上は4万円と同水準か、やや低めの2万円〜3万円程度となると考えられます。これに登録免許税3万円と実費を加えると、司法書士に依頼した場合の総額は5万円〜6万円前後になることが多いと考えられます。もちろん、会社の規模や依頼内容(同時に目的変更や本店移転もあわせて行うか、株主総会議事録の作成から任せるかなど)によって金額は変動します。また、都市部の事務所と地方の事務所とでも報酬水準に差が出ることがあるため、正確な費用を知りたい場合は複数の事務所に見積を依頼し、報酬の内訳(実費込みか、追加料金が発生する条件はあるかなど)まで確認したうえで比較しましょう。司法書士依頼と自分でやる場合の比較商号変更登記の手続き方法は、大きく分けて「自分で書類を作成して申請する方法」「オンラインサービスを利用する方法」「司法書士に依頼する方法」の3通りがあります。それぞれの費用・手間・時間の目安をまとめると、以下のとおりです。比較項目自分で書類作成(法務局テンプレート)GVA 法人登記司法書士に依頼費用目安登録免許税3万円のみ登録免許税3万円+書類作成費12,000円(税抜)〜登録免許税3万円+報酬2万円〜3万円手間登記知識が必要で、書式や記載例を自分で調べる必要がある画面の案内に沿って必要事項を入力するだけ打ち合わせや必要書類の準備を依頼するだけで完了所要時間目安数日〜。不備があれば補正でさらに時間がかかる最短7分で書類作成が可能依頼から書類完成までやり取りに数日〜かかる補正対応自分で対応する必要がある司法書士監修のテンプレートに沿うため誤りが起きにくい司法書士がすべて対応してくれる費用を抑えたい方には自分での申請が最も安価ですが、登記知識がないまま進めると補正や差し戻しのリスクがあります。補正が発生すると、法務局からの指摘に対応するために追加で書類を作り直したり、平日に法務局へ出向いたりする手間がかかり、結果として登記完了までの期間が長引くこともあります。逆に司法書士に依頼すればすべて任せられる安心感がありますが、その分報酬がかかり費用は高くなります。また、依頼先の司法書士事務所を探し、見積を取り、打ち合わせをするといった時間的な手間も発生します。この両者の中間に位置するのが、オンラインで必要書類を自動作成できるサービスの活用です。費用を抑えつつ、書式や記載例を一から調べる手間を省きたいという方には、こうしたサービスの利用も選択肢になります。GVA 法人登記で商号変更登記の必要書類を自分で作成GVA 法人登記なら、変更したい情報を入力することで登記申請書や議事録、その他の添付書類などの必要書類を作成し自分で準備できます。郵送申請や登記簿謄本の取得、収入印紙の購入をサポートするオプションも充実しています。手間や時間、費用のバランスを取りながら確実に登記申請したい方におすすめのサービスです。商号変更登記の必要書類は最短7分、12,000円(税抜)から作成可能で、司法書士に依頼する場合と比べて費用を抑えながらも、書式を一から自分で調べる手間を省くことができます。登記情報自動反映サービスを利用すれば、現在の登記情報がシステムに自動反映されるため、登記の知識がない方でも入力ミスを防ぎながら書類を準備できます。自社の状況や優先したい条件に合わせて、最適な方法を選びましょう。