「自社株の流動性を高めるために株式分割を検討しているけれど、株主の配当金にはどう影響する?」 「株式分割を行う場合、法務局ではどのような登記手続きが必要になるの?」株式分割は、大企業だけでなく、経営への参加者を増やしたい中小企業やスタートアップにとっても有効な手法です。しかし、いざ実施するとなると、配当金の計算や法律上の手続き(登記)について疑問を持つ方も少なくありません。本記事では、株式分割によって配当金や株主にどのような影響が出るのか、そして企業側が踏むべき登記手続きの流れまでを分かりやすく徹底解説します。株式分割で「配当金」はどうなる?株主への影響結論から言うと、株式分割を行っても、株主が受け取る「配当金の総額」は原則として変わりません。また、株主が持つ「資産の総額」も変わりません。具体的にどういうことか、1株を2株に分割する「1:2の株式分割」の例で見てみましょう。① 1株あたりの配当金は「半分」になる株式分割によって会社の株数が2倍に増えるため、「1株あたりの配当金(配当予想)」は基本的に2分の1に修正されます。分割前: 1株あたりの配当金が 100円分割後: 1株あたりの配当金は 50円② 株主がもらえる配当金の「総額」は変わらない1株あたりの配当金は減りますが、株主が持っている「株数」が2倍に増えているため、掛け算をすると最終的に受け取る配当金の合計額は同じになります。分割前: 100株保有 × 100円 = 10,000円分割後: 200株保有 × 50円 = 10,000円💡 実質的な「増配」になるケースもある? 企業によっては、株式分割と同時に「実質的な増配」を発表することがあります。例えば、1:2の分割をした後、本来なら1株あたり50円に下げるべきところを「60円にします」と発表するケースです。この場合、株主がもらえる総額は 200株×60円=12,000円 となり、前より多く配当金をもらえるため、株価にとって大きなプラス要因(買い材料)となります。株式分割が株主に与えるその他の影響配当金以外にも、株式分割は株主(および投資家)に以下のようなメリットをもたらします。買いやすくなる(投資金額が下がる) 株数が2倍になれば、1株あたりの株価は2分の1になります。これまで「1株1万円(最低投資額100万円)」で手が出せなかった投資家も、「1株5,000円(最低投資額50万円)」になれば買いやすくなります。株主優待が実質ランクアップすることがある 「100株以上保有で優待品贈呈」というルールがある会社が株式分割をした場合、分割後も保有条件が「100株以上」のままで据え置かれることがあります。すると、もともと100株持っていた人は分割後に200株(100株×2)になるため、実質半分の投資額で優待がもらえる権利を手に入れたことになります。企業側が必要な「株式分割の登記手続き」の流れここからは、企業側(経営者や総務担当者)が株式分割を実施する際の実務と、法務局への変更登記の手続きについて解説します。株式分割は、以下のステップで進めていきます。STEP 1:取締役会(または株主総会)での決議株式分割を行うには、まず会社としての意思決定が必要です。取締役会設置会社: 原則として「取締役会」の決議で決定できます。取締役会非設置会社: 「株主総会(普通決議)」の決議が必要です。決議では、「分割の基準日」「分割の比率(1:2など)」「効力発生日」などを定めます。また、株式分割に伴って「発行可能株式総数(会社が発行できる株の上限)」を増やす場合は、その定款変更も同時に決議します。STEP 2:基準日の設定と公告(公開会社の場合など)「この日に株主名簿に載っている株主を対象に分割します」という基準日を定め、その2週間前までに官報やホームページ等で「基準日公告」を行います。(※非公開会社で、株主全員の同意がある場合などは省略できるケースもあります)STEP 3:効力発生(株数の変更)決議した「効力発生日」を迎えると、法律上自動的に株式が分割され、会社の「発行済株式総数」が増加します。STEP 4:法務局への変更登記申請効力発生日から「2週間以内」に、本店の所在地を管轄する法務局へ変更登記を申請しなければなりません。登記申請の必要書類と費用法務局へ提出する主な書類と、かかる費用(登録免許税)は以下の通りです。登記申請の必要書類株式会社変更登記申請書取締役会議事録(または株主総会議事録)株主リスト(株主総会決議の場合のみ)定款(発行可能株式総数を合わせて変更した場合など、ケースによる)手続きにかかる費用(登録免許税)登録免許税:3万円株式分割の変更登記にかかる登録免許税は、分割する株数や資本金の額に関わらず、一律3万円です。株式分割の登記を「安く・ラクに」済ませるコツ株式分割の登記は、これまでに紹介した「役員の住所変更」などに比べると、議事録の文言作成や「発行可能株式総数」の計算など、専門的な法務知識が求められます。少しでも手間とコストを抑えて手続きを終えるには、以下の方法がおすすめです。オンライン支援サービス(GVA 法人登記など)を活用する「書類の不備で法務局から呼び出されるのが不安」「司法書士に頼む予算がない」という方は、オンラインで登記書類が作成できるサービス(GVA 法人登記など)の利用が最もおすすめです。GVA 法人登記は「株式分割」の登記手続きにもしっかり対応しています。画面の指示に従って分割比率などの必要情報を入力するだけで、法務局に提出する申請書や取締役会(株主総会)議事録、株主リストなどを一括で自動作成できます。専門知識がなくても、実務の手間を最小限に抑えてサクッと手続きを終わらせることができるため、非常に便利なルートです。👉 GVA 法人登記はこちらその変の申請方法自力で一から書類を作る: 費用を最も抑えられますが、株式分割は株主の権利に直結するデリケートな手続きのため、書類の不備や計算ミスによる再提出のリスクが高くなります。司法書士に丸投げする: 完全に任せられるため確実ですが、登録免許税(3万円)とは別に、数万円前後の司法書士報酬がかかるためコストが高くなります。法務手続きは忘れずに済ませましょう株式分割における配当金への影響と、企業側の登記手続きについて解説しました。株主がもらえる配当金の「総額」は原則変わらない企業側は、効力発生日から「2週間以内」に変更登記が必要登録免許税は一律3万円GVA 法人登記などのオンラインサービスを活用すれば、専門知識がなくても格安・スピーディーに書類作成が可能株式分割は、会社のファン(株主)を増やし、市場での流通量を増やすための素晴らしい戦略です。手続き自体は少し複雑ですが、便利なオンラインサービス等もうまく活用しながら、スケジュールに余裕を持って進めていきましょう。