支店設置登記をした後、事業の縮小やコスト削減などの理由で支店を閉鎖・廃止することがあります。支店の廃止には登記申請が必要であり、一定の期限内に手続きを完了させなければなりません。本記事では、支店廃止の登記の手続きの流れ・必要書類・費用について解説します。支店廃止の登記とは支店廃止の登記の概要支店とは、本店(本社)とは別に意思決定や対外取引を行う権限を持った営業拠点のことです。商法上では「ある範囲において会社の営業活動の中心となり、本店から離れて独自に営業活動を決定し、対外的取引をなしうる人的物的組織」と定義されています。支店を設置した場合は法務局に登記が必要であり、登記事項証明書(登記簿謄本)にも記載されます。同様に、支店を廃止する場合にも登記申請が必要です。廃止が決定したら2週間以内に本店所在地の管轄法務局へ申請しなければなりません。期限を過ぎると登記懈怠として100万円以下の過料が課される可能性がありますので、注意が必要です。支店廃止の背景・理由企業が支店を廃止する代表的な理由には以下が挙げられます。事業縮小・統廃合による廃止 人口減少や市場の縮小に伴い、経営資源を集約するために支店を統廃合するケースが増えています。M&Aや業績悪化を機に本社へ権限を集中させる動きも広がっており、金融機関などでの支店統廃合はその典型例です。DX推進や働き方変革による廃止 IT化・DX化の進展やコロナ禍以降のオンライン商談の普及により、支店が持っていた地理的なメリットが薄れてきています。管理コストの観点から、支店を維持するよりも本社機能を強化する方向へシフトする企業が増えています。設置条件の変化による廃止 都道府県の補助金受給や公共事業入札の要件として支店登記をしていた企業が、事業終了や要件変更を機に支店を廃止するケースもあります。また、特定の取引先との関係が変化したことで、当該地域に支店を置く必要がなくなることもあります。支店廃止の手続き支店廃止の登記手続きは、大きく「①社内での決議」と「②法務局への登記申請」の2ステップで進めます。①取締役会(または取締役)による支店廃止の決議支店の廃止は会社の重要事項であり、取締役会(取締役会非設置会社の場合は取締役の過半数の一致)での決議が必要です(会社法第362条第4項第3号)。株主総会の決議は不要です。取締役会設置会社では取締役会を開催して支店廃止を決議し、取締役会議事録を作成します。この議事録は登記申請の際に添付書類として使用します。②書類を作成し、本店所在地の管轄法務局に登記申請社内決議後、速やかに登記申請書・議事録等の書類を作成し、本店所在地の管轄法務局に申請します。廃止の決議日から2週間以内が申請期限です。支店廃止の登録免許税支店廃止の登記にかかる登録免許税は、支店1か所につき3万円です。自分で登記申請書を作成して手続きする場合、費用は登録免許税の3万円のみとなります(収入印紙で納付)。司法書士に依頼する場合は、別途報酬が発生します。なお、2022年9月1日の会社法改正以前は本店所在地と支店所在地、双方の管轄法務局への申請・登録免許税の納付が必要でしたが、改正後は本店所在地の管轄法務局のみで手続きが完了します。誤って二重に準備しないよう注意してください。支店廃止の登記の必要書類支店廃止の登記申請に必要な書類は以下のとおりです。書類概要登記申請書会社の商号・本店・廃止する支店の所在地・廃止年月日などを記載する取締役会議事録(または取締役の過半数の一致を証する書面)支店廃止を決議した取締役会の議事録。取締役会非設置会社では取締役の決定書収入印紙(登録免許税)支店1か所につき3万円分の収入印紙を登記申請書に貼付取締役会議事録の書き方や形式に不安がある方は、弁護士監修の無料テンプレートをご活用ください。取締役会議事録(支店設置・移転・廃止)の無料テンプレートはこちらダウンロードURL:取締役会議事録(支店設置・移転・廃止)また、法務局のホームページでも登記申請書の書式・記載例が公開されていますので、参考にしましょう。支店廃止の登記後に必要な届出登記申請が完了した後も、各関係機関への届出が必要です。忘れると後々トラブルになることもあるため、チェックリストを作っておきましょう。税務署・都道府県・市町村への異動届 支店廃止後は、税務署・都道府県税事務所・市町村役所に異動届出書を提出します。法人税・地方法人税・法人住民税など、対象税目を正確に記載する必要があります。税理士に依頼または相談しながら進めるとスムーズです。年金事務所・ハローワークへの届出 支店に従業員がいた場合は、年金事務所への「適用事業所全喪届」やハローワークへの届出が必要になります。金融機関への届出 支店名義の口座の解約・変更、口座振替の変更手続きなどを忘れずに行いましょう。許認可・都道府県への届出 業種によっては、都道府県への営業許可の変更・廃止届が必要な場合があります。許認可の更新手続きと混在しないよう注意が必要です。支店に関する登記書類を自分で作成・申請するなら支店の廃止などの登記は発生頻度が少ないだけに、いざというときに手続きで手間取ってしまいがちです。 GVA 法人登記なら、支店廃止に関する情報を入力するだけで、最短7分の操作で自分で申請できる書類を自動作成できます。支店の設置・移転・廃止まで対応ネットサービスだから夜間・週末もOK。日中の打ち合わせ不要郵送申請や収入印紙購入など、手間を削減するオプションも充実アカウント作成と会社情報の反映までは無料でお試しいただけます。 GVA 法人登記はこちらまとめ:支店廃止の登記は期限内に確実に支店廃止の登記は、取締役会(または取締役の過半数)での決議から2週間以内に本店所在地の管轄法務局に申請する必要があります。費用は登録免許税3万円のみ(自分で申請する場合)とシンプルですが、書類の準備や届出先が多いため、早めに準備を始めることが重要です。書類作成の手間を省きたい方には、GVA 法人登記の活用をおすすめします。必要情報を入力するだけで、最短7分で申請書類一式を作成できます。