株式会社において役員変更が生じた際は、変更が発生した日から2週間以内に法務局へ登記申請を行う義務があります(会社法915条)。変更の種類によって必要書類が異なるため、手続きの全体像を把握した上で申請書の準備を進めることが重要です。本記事では、取締役・監査役の役員変更(就任・重任・辞任・退任・解任・死亡)について、自分で登記申請するために必要な書類の一と、無料でダウンロードできる登記申請書テンプレート記載例を紹介します。役員変更の種類株式会社における役員変更の代表例は以下の6種類です。変更の種類によって手続きの内容や必要書類が異なるため、まずは自社の状況がどのケースに該当するかを確認しましょう。なお、これらは組み合わさって同時に発生することもあります。就任(新任)新たに取締役・監査役等が就任するケースです。株主総会の決議によって選任され、役員が就任を承諾した時点で就任が成立します。新たなメンバーを役員に加える場合や、退任・辞任した役員の後任を選任する場合が該当します。代表取締役の新任については、株主総会または取締役会での選定手続きも伴います。定款の記載内容にもよりますのでよく確認しましょう。重任任期満了後、同一の役員が引き続き同じ役職に就くことを「重任」(再任ともいいます)といいます。任期が到来するたびに登記申請が必要で、忘れると登記懈怠として過料の対象になるリスクがあります。明確な変更がなくても発生するため、最も頻度の高い役員変更手続きです。辞任役員が自らの意思で役職を退くことです。辞任は会社への意思表示が到達した時点で効力が生じ、その日から2週間以内に登記申請が必要です。後任の就任を同時に行う場合は就任登記と同時申請となります。退任(任期満了退任)任期が満了し、再任(重任)されないまま退任するケースです。後任者を選任する場合はその就任とセットで申請します。後任者がいない場合も、退任の事実を登記する必要があります。辞任や解任と異なり、役員側・会社側の意思表示ではなく、任期の到来によって退任が生じる点が特徴です。解任株主総会の決議によって役員を任期途中で強制的に退任させることです。正当な理由のない解任は損害賠償請求のリスクを伴うため注意が必要です。株主総会の決議を証明する議事録と株主リストの添付が必須です。死亡役員が死亡した場合も、登記事項の変更として申請が必要です。株主総会での決議は不要で、死亡を証明する書類(除籍謄本・死亡診断書のコピー等)を申請書とともに提出します。辞任や退任と同じように後任がいるかどうかで手続きが異なります。役員変更の種類ごとに必要な書類役員変更の登記申請に必要な書類は、変更の種類によって異なります。以下の表は、株式会社(取締役・監査役を対象)における主な必要書類を変更種類別にまとめたものです。必要書類就任(新任)重任辞任退任(任期満了)解任死亡登記申請書○○○○○○株主総会議事録○○△△○ー株主リスト○○△△○ー就任承諾書○○ーーーー辞任届ーー○ーーー死亡届等ーーーーー○本人確認書類○ーーーーー印鑑証明書○ーーーーー△は後任者の就任がある場合や状況によって必要になる書類です。※取締役会設置会社で代表取締役を選定する場合は取締役会議事録も必要※代理人が申請する場合は委任状が別途必要※実際に必要な書類は状況により異なる場合があります。不明点は司法書士などの専門家にご確認ください登録免許税は、変更する役員の人数や変更の内容にかかわらず、1件あたり1万円(資本金1億円以下の場合)、資本金1億円超の場合は3万円です。役員変更の登記申請書のテンプレートと記載例自分で役員変更の登記申請をしたい方向けに、GVA 法人議事録(https://gijiroku.ai-con.lawyer/)で無料配布されている各種の役員変更に関するテンプレートを紹介します。なお、各書類の記載例については法務局Webサイトでも公開されているので合わせてご参考ください。就任(新任)の登記申請書テンプレート就任する役員が取締役か監査役かによって、使用するテンプレートが異なります。申請書(辞任等による新たな取締役就任に係る役員変更登記)申請書(辞任等により新たな監査役が就任したことによる役員変更登記)重任の登記申請書テンプレート重任は取締役会の設置有無や代表取締役の選定方法によって使用する書式が変わります。自社の機関設計を確認した上で、適切なテンプレートを選択してください。申請書(役員全員の重任による役員変更登記)|取締役会設置会社申請書(役員全員が重任、互選で代表取締役を選定するための役員変更登記)|株式会社・有限会社(取締役会非設置会社)申請書(取締役全員が各自会社を代表する場合又は株主総会で代表取締役を選定する場合に役員の全員が重任)役員の辞任届のテンプレート辞任の場合、登記申請書に加えて辞任届の提出が必要です。後任の役員就任がある場合は就任の申請書と合わせて同時申請が可能です。辞任届(一身上の都合による取締役の辞任)死亡による退任の登記申請書役員が死亡した場合、死亡を証明する書類(死亡届・除籍謄本・死亡診断書のコピー等)を登記申請書とともに提出します。死亡のみであれば株主総会での決議手続きは不要で、死亡の事実をもって退任が生じます。役員の定数によっては後任の選任が必須となる場合があります。申請書(役員の死亡による退任登記)|株式会社・合同会社・一般社団法人GVA 法人登記で役員変更登記の書類を自分で作成本記事で紹介したテンプレートを用いて自分で役員変更の登記書類を作成・申請することは十分可能です。ただし、正確な書類を作成するための情報収集の手間や、法務局に提出後に修正(補正)を求められる可能性を考えると、どれだけの時間やリソースが必要なのか見積もりが立てづらいともいえます。GVA 法人登記なら、変更する役員の情報を入力することで登記申請書や議事録、その他の添付書類などの必要書類を作成し自分で準備できます。郵送申請や登記簿謄本の取得、収入印紙の購入をサポートするオプションも充実しています。