増資をして会社の資本金を増やしたら、登記簿謄本に反映させるための登記申請が必要です。この登記申請には、登録免許税を納付しなければなりません。増資の登録免許税は本店移転や役員変更などと異なり、増加する資本金の額によって税額が変わるという注意点があります。本記事では、株式会社・合同会社における増資の登録免許税の計算方法・納付方法、そして免税する方法があるのかどうかについて解説します。増資の登記とは?増資とは、会社の資本金を増やすことです。同じ「増資」でも株式会社と合同会社で異なります。株式会社の増資は「募集株式の発行(新株発行)」によって行うのが一般的です。投資家や第三者、既存株主などに新たな株式を発行・引き受けてもらい、払込金を受け取ることで資本金が増加します。増資によって資本金の額だけでなく、発行済株式の総数も変わる点が特徴で、これらは登記簿謄本に記載される事項です。合同会社の増資は、社員(出資者)が出資持分の金額を増やすことで行います。合同会社には株式という概念がないため、株式の発行ではなく「社員の出資」という形をとります。株式会社と異なり発行済株式総数の変動はなく、資本金の額のみが変わります。いずれの会社形態においても、資本金の額は登記簿謄本(登記事項証明書)に記載された公的情報です。増資によって資本金額が変更された場合は、変更が生じた日から2週間以内に法務局へ登記申請を行う義務があります(会社法第915条)。この登記申請の際に、登録免許税の納付が必要となります。増資の登記の登録免許税はいくら?株式会社・合同会社共通の計算式株式会社・合同会社ともに、増資の登記にかかる登録免許税は以下の計算式で求めます。「増加した資本金の額 × 0.7%(1000分の7)」と「3万円」のどちらか大きい方つまり、増加する資本金の額が約430万円を超えるかどうかで適用される金額が変わります。約430万円以下の増資であれば最低税額の3万円が適用され、それを超えると増資額に比例した税額になります。計算結果に100円未満の端数がある場合はその端数を切り捨てます。計算例増加する資本金の額計算式登録免許税額100万円100万円 × 0.7% = 7,000円 < 30,000円30,000円300万円300万円 × 0.7% = 21,000円 < 30,000円30,000円500万円500万円 × 0.7% = 35,000円 ≧ 30,000円35,000円1,000万円1,000万円 × 0.7% = 70,000円 ≧ 30,000円70,000円3,000万円3,000万円 × 0.7% = 210,000円 ≧ 30,000円210,000円1億円1億円 × 0.7% = 700,000円 ≧ 30,000円700,000円本店移転や役員変更など多くの登記申請では登録免許税が定額であるのに対し、増資ではその金額に応じて税額が変わる点が大きな違いです。増資の金額が大きいほど登録免許税も比例して増加するため、資本政策を検討する際の検討事項として頭に入れておきましょう。登録免許税の納付方法増資の登記申請の際に登録免許税を納付する方法は、書面申請かオンライン申請かによって異なります。書面申請の場合書面申請では、収入印紙を購入して登記申請書に貼り付けることで納付します。収入印紙は法務局の売店、郵便局(ゆうちょ銀行の窓口)などで購入できます。法務局内の売店であれば高額な収入印紙にも対応しており、増資額が大きい場合でも1か所でまとめて購入できるため便利です。購入した収入印紙は登記申請書の「登録免許税」欄に貼付します。消印は不要です(消印してしまうと使用済みとみなされることがあるため注意が必要です)。税額が大きく1枚では収まらない場合は、複数枚に分けて貼付することができます。オンライン申請の場合法務局のオンライン申請システム「登記ねっと(申請用総合ソフト)」を利用する場合は、電子納付となります。電子納付は、申請後に表示される納付番号を使い、Pay-easy(ペイジー)対応のインターネットバンキングやATMから納付する方法です。窓口に足を運ぶ必要がなく、銀行の営業時間外でも手続きできる点が便利です。電子納付を利用せずに収入印紙で納付することも可能で、その場合は収入印紙を貼付した書類を郵送または窓口に持参して提出します。なお、GVA 法人登記のようなオンラインサービスを利用して書類を作成し、書面申請(郵送)する場合は、収入印紙の購入・貼付が必要となりますが、収入印紙をセットで購入できるサービスもあります。増資の登録免許税は免税できる?結論:増資登記に免税制度はない結論として、一般的な株式会社・合同会社の増資登記について、登録免許税を免除する制度は現在のところ存在しません。登記に関する登録免許税については、会社設立時の特定要件を満たすケースで一部免税・軽減が認められている制度が存在します。しかし、これらは非常に限定的な要件を満たした場合に限られており、通常の増資登記には適用されません。登録免許税を抑えるには「増資額を小さくする」登録免許税は「増加した資本金の額」によって計算されるため、増資額を小さくすれば税額も下がります。特に増加する資本金が約430万円以下であれば最低税額の3万円が適用されるため、この水準に収めることがコスト面では有利です。ただし、増資額を抑えることが本末転倒になるケースも多くあります。必要な資金量や調達目的(ベンチャーキャピタルからの出資受け入れ、財務基盤の強化など)を優先したうえで、登録免許税はあくまで必要コストとして計上するのが現実的な考え方です。GVA 法人登記で増資の登記の書類を自分で作成増資の登記は資本金によって登録免許税が異なるなど、難易度が少し高いですが、自分で増資登記の登記書類を作成・申請することは十分可能です。ただし、正確な書類を作成し提出するための情報収集の手間や、法務局に提出後に修正(補正)を求められる可能性を考えると、どれだけの時間やリソースが必要なのか見積もりが立てづらいともいえます。GVA 法人登記なら、変更したい情報を入力することで登記申請書や議事録、その他の添付書類などの必要書類を作成し自分で準備できます。郵送申請や登記簿謄本の取得、収入印紙の購入をサポートするオプションも充実しています。増資の場合も資本金額によって登録免許税を自動計算できるので、手間や時間をかけずに確実に登記申請したい方におすすめのサービスです。