会社の引っ越し(オフィスの移転)をした際、必ず行わなければならないのが「本店移転登記」です。「法務局のホームページからテンプレート(様式)をダウンロードしたけれど、書き方がよくわからない…」 「『管轄内』と『管轄外』で何が違うの?」そんな疑問をお持ちの経営者や総務担当者の方に向けて、本記事では本店移転登記申請書の書き方を、管轄内・管轄外のパターン別にテンプレートを交えて徹底解説します。そもそも「管轄内」と「管轄外」の違いとは?本店移転登記を進める上で、最も重要なのが「どこの法務局のエリアから、どこのエリアへ移転するか」という点です。これにより、手続きの手間や費用(登録免許税)が2倍変わります。① 管轄内移転とは現在の法務局の担当エリア(管轄)の「中」で引っ越しをする場合です。例:東京都港区から東京都渋谷区への移転(どちらも「東京法務局(本局)」の管轄内)特徴:申請書は1通でOK、登録免許税は3万円。② 管轄外移転とは現在の法務局の担当エリアの「外」へ引っ越しをする場合です。例:東京都港区から神奈川県横浜市への移転(東京法務局から横浜地方法務局へ管轄が変わる)特徴:旧法務局用と新法務局用の申請書が計2通必要、登録免許税は6万円(3万円×2)。※ご自身の会社がどの法務局の管轄かは、法務局の公式ホームページ「管轄のご案内」で事前に確認しておきましょう。【管轄内】本店移転登記申請書のテンプレートと書き方まずは、同じ管轄内で移転する場合の申請書の書き方です。法務局のテンプレートを基にした一般的な記載例をご紹介します。管轄内移転の申請書テンプレート(記載例)株式会社本店移転登記申請書商号:〇〇株式会社本店:東京都港区〇〇一丁目1番1号(※現在の登記上の住所)登記の事由:本店移転登記すべき事項: 令和〇年〇月〇日取締役会の決議(※または取締役の過半数の一致)により、同月〇日次のとおり本店を移転した。 東京都港区〇〇二丁目2番2号(※新しい住所)登録免許税:金 30,000円添付書類:取締役会議事録(または取締役の過半数の一致を証する書面) 1通委任状(代理人に依頼する場合) 1通令和〇年〇月〇日申請 申請人:東京都港区〇〇一丁目1番1号 〇〇株式会社 代表取締役:法務 太郎〇〇法務局 御中書き方の重要ポイント登記すべき事項:「決議した日」と「実際に移転した日(引っ越し日)」の両方を正確に記載します。新住所の表記:ビル名や部屋番号(例:〇〇ビル3階301号室)を入れるかどうかは、定款や取締役会の決議内容と完全に一致させてください。部屋番号を登記しない(○番○号までとする)ことも可能です。【管轄外】本店移転登記申請書のテンプレートと書き方別の法務局の管轄へ移転する場合は、「旧管轄の法務局」宛てと「新管轄の法務局」宛ての2通の申請書を、同時に旧管轄の法務局へ提出します。① 旧管轄法務局宛ての申請書(記載例)株式会社本店移転登記申請書(他管轄への移転・旧管轄用)商号:〇〇株式会社本店:東京都港区〇〇一丁目1番1号(※現在の住所)登記の事由:本店移転登記すべき事項: 令和〇年〇月〇日株主総会において定款変更の決議が可決し、同月〇日取締役会の決議により、同月〇日次のとおり本店を移転した。 管轄外移転につき、新本店所在地:神奈川県横浜市〇〇区〇〇一丁目1番1号登録免許税:金 30,000円添付書類:株主総会議事録 1通株主リスト 1通取締役会議事録 1通委任状 1通申請人・代表取締役の記載、および旧法務局(例:東京法務局 御中)を記載。② 新管轄法務局宛ての申請書(記載例)株式会社本店移転登記申請書(他管轄への移転・新管轄用)商号:〇〇株式会社本店:神奈川県横浜市〇〇区〇〇一丁目1番1号(※新しい住所)登記の事由:本店移転登記すべき事項:旧本店所在地:東京都港区〇〇一丁目1番1号登録免許税:金 30,000円添付書類:添付書類なし(※旧管轄用にすべて添付しているため)申請人・代表取締役の記載、および新法務局(例:横浜地方法務局 御中)を記載。書き方の重要ポイント定款変更が必要:管轄外への移転は、定款に記載されている「本店の所在地(最小行政区画など)」を変更する必要があるため、必ず株主総会の決議(特別決議)が必要になります。印鑑届出書の提出:管轄が変わると、会社の代表社印(実印)を新しい法務局に登録し直す必要があります。申請書と一緒に「印鑑届出書」を提出するのを忘れないようにしましょう。本店移転登記申請書テンプレート(無料)本店移転登記申請に必要申請書はGVA 法人議事録からダウンロードいただけます。移転先が管轄外か管轄内かによっても変わりますので、用途に合わせてご利用ください。テンプレート多数!GVA 法人議事録はこちら管轄内移転の申請申請書はこちら管轄外移転の登記申請書はこちら本店移転登記の期限と必要な費用前回の役員変更と同様に、本店移転登記にも法的な期限が設けられています。申請期限:新本店に移転した日(引っ越し日)から「2週間以内」これを過ぎると、最大100万円の「過料(罰金のようなもの)」が科されるリスクがあります。実務上、引っ越し前後は非常に多忙になりますが、スケジュールに必ず組み込んでおきましょう。かかる費用の目安管轄内移転:登録免許税 3万円管轄外移転:登録免許税 6万円(3万円×2通分)※司法書士に依頼する場合は、上記に加えて3万〜6万円前後の報酬が相場となります。本店移転登記をスムーズに終わらせる方法自分で一から書類を作成して法務局に何度も足を運ぶのは、時間も労力もかかります。以下の方法を活用すると、よりラクに手続きを終えることができます。法務局のテンプレートをそのまま使う 法務局のWebサイトには、Word形式の「商業・法人登記の申請書様式」が用意されています。まずは自社のパターンに合うものをダウンロードしましょう。オンライン作成サービス(GVA 法人登記など)を利用する 「書類の不備で法務局から呼び出されるのが不安」という方は、画面の指示に従って住所を入れるだけで、管轄内・管轄外を自動判別して必要書類(議事録や印鑑届などを含む)を一括作成してくれる民間サービスがおすすめです。手間をかけずに申請するならGVA 法人登記が楽ですGVA 法人登記はオンラインで変更登記申請に必要な書類が自動作成できるサービスです。専門家に依頼する場合と比べ低価格で申請できる点や、画面の指示に従い必要情報を入力すれば数分で必要書類が作成できてしまうのが主なメリットです。郵送オプションを利用すると、登録免許税の納付に必要な収入印紙も同時購入でき、必要か所に押印してポストに投函するだけで変更登記申請が完了する便利なサービスですのでぜひご活用ください。👉 GVA 法人登記はこちら移転が決まったら必要書類の確認を!本店移転登記は、会社の信用を維持するため、そして法律上の義務を果たすために不可欠な手続きです。管轄内か管轄外かで費用と書類の数が変わる移転日から2週間以内に申請が必要管轄外移転の場合は「印鑑の再登録」もセットで行うまずは新しいオフィスの住所がどの法務局の管轄になるかを調べ、計画的に書類の準備を進めていきましょう!